神木隆之介×有村架純×三木孝浩監督が贈る珠玉の恋愛映画「フォルトゥナの瞳」キャスト・あらすじを紹介

木山慎一郎は、車の修理屋で働く青年。


幼少期に飛行機事故で両親を亡くし、天涯孤独の身で恋人や友達も作らず、ただ仕事だけと向き合って生きてきた。

彼には、死を目前に控えた人が「透けて見える」という特殊な能力がある。


自分のこの能力がどんな意味を持っているのかは分からないが、他人の死が見えるというストレスは相当なもの。


そんなある日、愛用するガラケーの画面が割れてしまった慎一郎は、修理のため携帯ショップへと出向く。

「選ぶのって難しいですよね」そんな風に柔らかく声をかけてきた女性店員・葵は、慎一郎に親切に対応。


画面の応急処置をしてくれるのだった。

今までに感じたことのない感情を抱きながら、お礼を告げる慎一郎。


数日後、ついに動かなくなったガラケーを持ち、お店に向かった慎一郎は、そこで葵の手が透けていることに気づく。

自分の能力の話をするべきか迷いつつも、「大事な話があります」と告げ、仕事後に30分だけお茶をする約束を取り付けた。


約束の時間、カフェに現れた葵だが、その手を見ると透けていない。

状況は良く分からないものの、彼女の命が助かったことに安堵する慎一郎。


自分には運命が見えて、ひとりの命が今助かったんだと打ち明けるも、詳しい話は口をつぐみ、葵と別れるのだった。

そんなある日、仕事場に葵が訪れる。


「個人情報保護法違反です」と笑いながら、顧客カードを頼りに慎一郎を訪ねて来たのだった。

そして新聞の切り抜きを差し出す。


彼女は、静かに、告げた。

「あなたが、救ってくれたんですよね。
この記事にある、工場の爆発事故。あなたがお茶に誘ってくれなければ、巻き込まれるところでした。
木山さん、あなたは私を救ってくれたんです。ありがとうございます。」
と。


ごまかす慎一郎だが、葵は続ける。


「あの夜からずっと考えていたんです。
私を救ってくれた木山さんて、どんな方なんだろう」


そして、束の間の会話を交わし、葵は帰って行った。

徐々に彼女の存在が気になりだす、慎一郎。


仕事終わりのお茶を重ね、葵と距離を縮めていくのだった。

しかしその間も、慎一郎の能力は衰えることなく、彼を悩ませる。


ある日、お世話になっている社長の身体が透けていのを見つけた慎一郎は、彼を守る行動に。

おかげで社長は守れたが、その場で心臓が痛くなり、病院へ運ばれる。


そこで出会った医師は、彼の能力に気が付き、それを「フォルトゥナの瞳」だと教える。

さらに、自分も同じ能力を持っていること、誰かを救い運命を変えると必ずその代償があることを告げる。


慎一郎の心臓発作もその代償で、これ以上誰かを救えば自分の命がなくなると忠告するのだった。


葵への自分の気持ちに気づいていた慎一郎は、誰かの運命に関わるのはやめようと決意。


彼女に告白し、二人は付き合うように。


穏やかで幸せな毎日を重ね、季節を過ごしていく。

能力ことは隠しているものの、飛行機事故の話やそれからの境遇も、葵に話せた慎一郎。


何のために生かされているんだろう、とつぶやく彼に、葵は「幸せになるためだよ」と一言。

そして、二人は将来に思いをはせるのだった。


だが、以前から店の客だった宇津井の死が、慎一郎に迷いをもたらす。


車を取りに来た彼の身体透けていることに、気づいていながら、何もしなかったのだ。


自分は、だめな人間だ。

そう落ち込む慎一郎を、葵は精一杯に励ます。


しかし慎一郎は、葵の優しさを受けいれられず、突っぱねてしまう。


すれ違ったまま、行き場のない思いを抱える慎一郎は、落ち込みながら乗った電車の中で、大勢の乗客の身体が透けていることに気づく。


そして、電車から降りて立ち寄った公園で遊んでいた保育園児たちもみな、透けているのを見てしまう。


その場に落ちていたプリントを拾った慎一郎は、あることに気づき、また、葵の身が危ないことを悟るのだった。


どうにか、葵の命を助けたい慎一郎。

だが彼の命も、また削られていた。


愛する人を守りたい、他人の死を見過ごせない。

そんな彼と葵を待つ「運命」とは…